2018-03-19 駄句 風もよし土筆摘みつみ谷地の奥 朧夜をゆっくりとゆく影二つ 酌み交わし夜更けて今朝の蜆汁 畑打ちや土にめり込む老ひとり 旧家あり暗き式台雛の段 啓蟄やおらが世来たりいざ出でむ 東風吹いて薄着の襟を搔き合わす シベリアへ弔意伝えよ雁の風呂 グルメとやこれまた菜飯はうまさうな かすかなる音たてるらむ木の芽吹く 縁に寝る横目に香る沈丁花 脚止まる藪をつんざく初音かな 谷水のきらめき浴びて蕗のたう 山茱萸の黄金あたりを明るくす