駄句

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  • 風もよし土筆摘みつみ谷地の奥
  • 朧夜をゆっくりとゆく影二つ
  • 酌み交わし夜更けて今朝の蜆汁
  • 畑打ちや土にめり込む老ひとり
  • 旧家あり暗き式台雛の段
  • 啓蟄やおらが世来たりいざ出でむ
  • 東風吹いて薄着の襟を搔き合わす
  • シベリアへ弔意伝えよ雁の風呂
  • グルメとやこれまた菜飯はうまさうな
  • かすかなる音たてるらむ木の芽吹く
  • 縁に寝る横目に香る沈丁花
  • 脚止まる藪をつんざく初音かな
  • 谷水のきらめき浴びて蕗のたう
  • 茱萸の黄金あたりを明るくす

 

 

訪春

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待っていた春、らしいけれどどうでもいい。

季節は待っていようといまいと緩やかに移り変わる。

そんなことを気にしても仕方がないだろうと思う。

 

いろいろに咲く花を見て、ああ! きれいだナと思う気持ちが大事かもしれない。

とかく歳とって、気持までカサカサになって干からびてくるのを最近とみに実感する。

感動を、みずみずしく感動する心がやっぱり大事だと知る。

 

少しばかりのストレスと大いなるゆったりと時々真剣に、生活できればそれで。

残りはわずか、無理無体にシャカリキになるなかれ。

ぼちぼちおます、でちょうどいいかナ。

 

 

 

 

駄句

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 ・寒風の寄せ来る西は茜燃ゆ

 ・蝋梅の一枝馥郁階まで

 ・青空に冬の富士の嶺より近く

 ・立春や検査異常なし空澄めり

 ・野ざらしの荒涼の果て夕陽凍て

 ・とは言えど辛き目みたり老の風邪

 ・まんさくや密かに春を告げに来し

 ・雪消えるや争って緑蕗の薹

 ・いぬふぐり宇宙に散らす瑠璃の星

 ・春浅し刺を含める風来る