夜半寝覚

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宮崎駿と養老孟子の対談本を読んだ。大分古い本。

あの頃でも、宮崎駿がどれほど現在の世の中に失望していたかが分った。

それと併せて、先日若い人たち(高・大女子)が、SNSや恋愛関係でどれほど悩んでいるかという講演会を聞いた。

それらに触発されて少し思うことがある。

 

人は偉大な存在であると思うが、また悲しき存在でもある。

偉大な存在だと思うのは、現在曲がりなりにもある程度民主的な世の中になったと思う。

前世紀以前に比べれば、ほんのわずかな他人に不当に圧迫されたり殺戮されたりすることは減ったのではないか。

また、医療の発達によってまだ若くして、無念に死ぬということも減ったと思う。

それは人が努力して実現した来たことで、この点で人は偉大だと思う。

ひるがえって人は悲しき存在だと思うのは、当面目の前に無念に死ぬ、あるいは無残に死なされることや、食うことに奔走されることが少なくなったと思う。だから前世紀以前に比べれば生きることを謳歌していいように思うのだけれど、安全や食糧確保に奔走されなくなった分、それだけ意識が自分の内部にだけ向かったのか、考えなくてもよいことまで考えて苦しむようになったような気がする。

 

生きることに対して、人は上手なのか下手なのか。