駄句

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六月七日

(柿の花)

・散りてなお甘き実残す柿の花

・照り映える葉陰にここぞ柿の花

・晴れ晴れとふるさとの野の柿落花

(黴)

・厭われしもうま酒醸せ黴の花

・築五〇木陰に沈む黴の宿

・味噌醤油黴のちからの香りかな

・古き塔黴の湿りも神寂びて

 

六月二一日

(鮎)

・喧嘩して鮎ともどもに釣られける

・里暮れて鮎の哀れや魚籠の中

・煌めいて淵の底岩鮎走る

 

(紫蘇)

・紫蘇の香や今宵のやっこの一段と

・青紫蘇や香りも清し胡瓜揉み

・紫蘇の香に激す気持ちをなだめられ

・紫蘇しぼる母の手しわの赤きかな