余寒
3月並みの気温。
晩年と言うものは、誰にとっても寒いものなのかもしれない。
そんな寒さが、ここへきてやってこようとは夢に思わなかった。迂闊と言えば迂闊、歳をとれば当然のことながら孤独に陥る。この世に一人ある、という感が深まるのはことの必然なのであろう。
……
だが、出来れば、かっと目を見開き、傲然と胸をあげて前を見ていたい。
どんな態度をとっていようが、結局のところ同じようなものであれば、目を上げている方が、わずかでも自尊心にかなうように思う。
特段長生きしたいとは思わないが、かと言ってそれが平気なわけではない。なるようになるのだろうと思うだけで、目的意識的に生をどうにかしようとまでは思わない。
人生に確固とした目的を持たないまま過ごしてきた。そんなものが、持ち得るものだという自覚もなかった。しかし人生の目的とは一体何なのだろう!?。こうありたいと思って、こうなるものなのだろうか??。
流されて!、これが実感。
なんの必要も義務もなくなった今こそ、自分の足で歩いていきたい。
どこへだか知らないけれど。