立春

もうすぐ春が立つのだそうだ。 ならば、暗い穴倉での冬眠をやめて、のそのそ這い出さねばならない。 昨年の暮、不摂生がたたって体調を崩した。身に覚えがあるから大急ぎで病院に行って当面の薬をもらったが、専門医を受診せよと言われたものの、年末年始の…

環流

”平成最後の○○”とテレビが盛んに言う。 どのチャンネルでもいうから日本の一大事に違いない。しかしどうも一大事が起こっているようには見えないからなんだか不思議だ。もっとも一大事が起こっていても世の中から半分取り残されている爺いにはそれが見えない…

無題

こちらのブログは秘密だったのだけれど、少しずつばれた。 ばれたなら仕方がない。秘密でもなんでもなく書くしかない。 となると、今まで秘密の部屋で腹にたまった澱をぶちまけて、やや均衡を保っていた、その部屋がなくなるわけだ。言わば”はてな”は余計な…

秋の日

11月の初めころ、幾日かきらきらするような美しい秋の日が続いた。 朝カーテンを開けて空が青いとそれだけで嬉しくなってしまう。特段どこかへ出かけるという目当てさえないのだけれど、日々のちょっとしたいいことが嬉しい。歳をとってむき出しの欲も得も希…

盛夏

8/4(土)は、「ぶら多摩散歩」で黒目川に行く。 参加者は5名、おおよそ思っていた通りに少ない、けれど暑いさなかこれでちょうどいいとも考える。 途中、道を間違ってロス。これが効いて落合川源流部までしか行けなかった。 「ぶら多摩散歩」始まって以来の…

読書

埃を払って引っ張り出した本。 『武蔵野物語』三浦朱門(集英社新書・2000・第1刷) 内容はほぼ忘却の彼方、それなので読み返しは新鮮。 その構成は、おおよそ、 1部ー武蔵野の地形地誌、歴史 2部ー東京府立2中(現・立川高校)の同級生たち 3部ー石川酒造の…

今何が?

近頃巷に流行るもの。 ・幸福の木 ・心霊スポット ・触れ合う ・癒される ・勇気をもらう ・人の温かさ ・みんないい人 実態の重さのない、ふわふわと宙に浮かんだ言葉たち。 * その裏で、 いまこの国で、何が起こっているのか!? 誰かそれをきっぱりと教…

駄句

六月十八日・句会 河鹿鳴く夕べの里や一人旅 桑の実をつい取って喰い笑われる 万緑が雨に溶けだす露天風呂 短夜を惜しみつつ読む百鬼園 密やかな人声気になる五月闇 黴活きよ味噌納豆に酒の味 みみずさえ何やら意志のありそうな 雨あやめ色の深さをじっと見…

突き破れ!

毎日まいにち、しとしとどんよりが続く。 気分が内側に籠って発散しない。でイライラする。 何かをうち破りたい!・・・で、なにを? なんだろう? 押さえつけているもの、籠っているもの。 そんなもの、無いはずだがなあ! したいことがあるなら、後先考え…

駄句

四月一六日・句会 彼岸とや雪が都心に積もるほど 蛙聞くふる里今は如何にある 花よ散れ散ればこころは安からむ ぶかぶかの園服に散る桜かな 森閑か若葉が香る中に入る あれよ花一時に咲き散り去り逝きぬ 永き日や下だけ暮れて時の鐘 こころ虚し花散り芽吹き…

駄句

風もよし土筆摘みつみ谷地の奥 朧夜をゆっくりとゆく影二つ 酌み交わし夜更けて今朝の蜆汁 畑打ちや土にめり込む老ひとり 旧家あり暗き式台雛の段 啓蟄やおらが世来たりいざ出でむ 東風吹いて薄着の襟を搔き合わす シベリアへ弔意伝えよ雁の風呂 グルメとや…

訪春

待っていた春、らしいけれどどうでもいい。 季節は待っていようといまいと緩やかに移り変わる。 そんなことを気にしても仕方がないだろうと思う。 いろいろに咲く花を見て、ああ! きれいだナと思う気持ちが大事かもしれない。 とかく歳とって、気持までカサ…

駄句

・寒風の寄せ来る西は茜燃ゆ ・蝋梅の一枝馥郁二階まで ・青空に冬の富士の嶺より近く ・立春や検査異常なし空澄めり ・野ざらしの荒涼の果て夕陽凍て ・とは言えど辛き目みたり老の風邪 ・まんさくや密かに春を告げに来し ・雪消えるや争って緑蕗の薹 ・い…

怒涛

体調につき、1月からの経緯は以下の如し。 ・1/4突然血尿。深紅の地がほんの少し混じる。翌日も同じ。1/6止まる。 ・1/6立川中央病院受診。泌尿器科なく不明。災害病院の紹介状をもらうのみ。 ・1/10災害病院受診。現在CT等の機械満杯につき1/31まで待ち…

思考

どうも頭の中が古い綿くずのようなものでいっぱいになっていて、考えがうまくまとまらない。 まとまらないなら、まとまらないでいいから構わずその考えを書いてみようと思う。 人には唯物的な思考と観念的・情緒的な思考とがあるような気がする。 観念的な思…

我等

我が民族はいつだって外国文化に頭が上がらない。 明治文明開化から約150年、いまだに外国が一番エライと思っている。 政治と経済はアメリカの言うまま子分のように従っているし、庶民の、下々の文化だって外国をひたすら奉って倦むことがない。 曰く、リゾ…

夜半寝覚

宮崎駿と養老孟子の対談本を読んだ。大分古い本。 あの頃でも、宮崎駿がどれほど現在の世の中に失望していたかが分った。 それと併せて、先日若い人たち(高・大女子)が、SNSや恋愛関係でどれほど悩んでいるかという講演会を聞いた。 それらに触発されて…

駄句

・秋立ちて伊根の浦々夢遠く ・虐殺をつたなき絵に見る震災忌 ・花咲いて葛の進軍止まりけり ・出雲路へ独り気どるか秋遍路 ・侘びしいと鈴虫なくや薄ら闇 ・歯の笑顔日焼けの少女登校す ・秋海棠我は季節をこれで知る ・銀木犀どこだどこだと里の道 ・月煌…

沈香!?

沈香もたかず屁もひらず。・・・という人がいたので言った。 「沈香はともかく、屁ぐらい思い切りひったらどうでしょう」 「うんにゃ、屁などという下品なものはひってはいかん。あの音の下品さを思うと汗が出る」 「”ぶっ”てなのはいっそ豪快ではないですか…

駄句

・青空を白雲の行く彼岸かな ・庭園の彼岸の水や澄み流る ・老いの宵もうそろそろの彼岸かな ・雁風呂や浜に残りし枝もあり ・背を丸め畑打つ影の母に似て ・利休忌のオリオン滲み明日は雨 ・さがみ野の広野の藪に初音かな ・寂しさについ寄り添うて花筏 ・…

彼岸

・庭園の彼岸の水や澄み流る ・雁風呂や浜に残りし枝もあり ・背を丸め畑打つ影の母に似て ・利休忌のオリオン滲み明日は雨

駄句

・ 富士道や背中に溜(た)まる春の温(ぬく) ・ 雪富士を光背にして浅間社 ・ 寒中や吉田うどんのあたたかみ ・ 名瀑のしぶきを染めて春夕陽

独酌

孫娘。2歳になった。 急激に大人びてき、赤ちゃんは卒業なのだろうか。 自己主張が激しく、大きくなるにつれ期待が持てる。 健やかに育ってほしい。 せめて10歳になるまで生きていたい。

駄句

12月18日 3人で小仏道を歩きて。 ・ 冬の日にカラス天狗やいざ飛ばん ・ 高尾峰ランする道の枯葉かな ・ 登りきて茶屋の木枯らしなめこ汁 ・ 短日や小仏道の果てる谷 ・ 本陣のガイドの媼かえり花

駄句

九月六日 (夜長) ・今宵また『坂の上の雲』夜長かな ・長き夜をもう一軒とはしご酒 ・明けやらぬ旅の宿りの夜長かな ・長き夜やキー打つ音の響くのみ 長き夜を漁火消えず波の間に (花野) ・ただ独り歩く花野の暮れてゆき ・一面の花野風吹く古戦場 ・黙…

駄句

八月二日 (秋めく) 秋めけり遥か南に高き雲 子も孫も皆帰る朝秋めきて ふと仰ぐ秋めく空に薄い雲 (小豆) ・小豆煮る囲炉裏静かにつき高く 八月三〇日 (星月夜) ・星月夜宇宙の深きしじまかな (蜩) ・蜩のなく山里に宿りせむ ・寂々と蜩のなく夕べか…

駄句

七月五日 (夏の夜) ・夏の夜のしらじら明けて尾瀬の原 ・夏の宵酒と野菜は瀬戸の川 ・夏の夜や闇を抜け来る風一つ (鹿の子) ・飛び跳ねる鹿の子まだらは陽のにほい ・じゃれ過ぎて母に疎まる鹿の子かな ・鹿の子の瞳に魅入られ胸迫る

駄句

六月七日 (柿の花) ・散りてなお甘き実残す柿の花 ・照り映える葉陰にここぞ柿の花 ・晴れ晴れとふるさとの野の柿落花 (黴) ・厭われしもうま酒醸せ黴の花 ・築五〇木陰に沈む黴の宿 ・味噌醤油黴のちからの香りかな ・古き塔黴の湿りも神寂びて 六月二…

備忘

【養老孟氏の本を読んで】① ・こころ・・・脳の機能(はたらき)の一部。意識と同意。。「同じ」という癖があ り、ここから「自分には変わらない個性がある」と勘違いする。なお、感情は脳の辺縁系の働きから生じる。 ・個人・・・西洋一神教の「霊魂不滅」…

駄句

吟行(称名寺・横浜 金沢八景) ・迎梅雨佳景寂寞称名寺 ・青葉陰仁王が睨む我が懶惰 ・紫陽花の花も涙か阿字が池 ・偲ばるる梅雨の釈迦堂武士の時 ・反り橋も往時茫々走り梅雨